毎年平均気温が上昇し続ける今の日本で、エアコンはもはや生活必需品となっています。
洗濯機や冷蔵庫などは各家庭に1台ほどかもしれませんが、エアコンは各部屋に1台の家庭が多く、4台も5台もあるとそれだけ故障による入れ替えの必要が生じてきます。
リビングのを去年変えたのに、今年は寝室のエアコンが壊れた…などはよく聞く話です。
ボーナスは他の物を購入するためにアテに出来ないし、お盆の帰省でもお金が必要…
エアコンにそこまでお金をかけられない…でも業者にお願いすると高い…
そんな時に頭をよぎるのが、「自分で取り付けする」ということです。
エアコン取り付けに関する動画などもYouTubeにたくさんあがっており、DIYが好きな方なら、ここは節約のためにも自分で挑戦してみよう！と思うかもしれません。
そこで必要になってくるのが工具です。
基本的なドライバーやカッターはあったとしてもエアコン取り付けに必要な専門工具などは持っていないことがほとんどです。
以下がエアコン取り付けの際に必要な基本的な工具の一覧と説明です。
エアコンの冷媒配管中の空気を抜き、配管内を真空状態にする道具です。配管内に空気が混じってしまうと、エアコンの能力が落ちる、もしくはコンプレッサーが故障する原因になります。
真空ポンプと一緒に使います。どれぐらい真空が引けたかが確認できます。
エアコンの室内機と室外機の冷媒配管を繋ぐ道具です。冷媒配管は締める力が強くても弱くてもガス漏れを起こす可能性があるため規定トルクで締付ける必要があります。そのためにトルクレンチが必要です。
配管をフレア加工する道具です。
真空作業時に真空ポンプと室外機をつなぐホースです。
冷媒配管を切る道具です。
室外機横にあるバルブ開閉に使います。
冷媒配管を切った後のバリを取る道具です。
たった1台のエアコンを取り付けるために、これだけの専門的な工具が必要になってきます。
専門的な工具を揃えるのには、いつくかの方法があります。
エアコンが家に何台もあり、今後のことも考えて全てを新品で買うことができます。
しかし上に挙げた道具を怪しい中国製ではなく一応そこそこ名の知れたメーカーで全て揃えると少なく見積もっても５万円はするため、あまり節約にはなりません。
少しでも費用を抑えるなら、道具を中古品で揃えるのも1つの手です。
中古ショップや楽天、ヤフオクやメルカリなどで売っています。
しかし状態が悪くボロボロの道具などを平気で売っていることも多々見受けられることもあり、道具の状態を見極める目がないと安物買いの銭失いになってしまう可能性もあります。
うーん…業者に頼むと1台1万か…我が家の５台を自分でやれば5万の節約か…
よし、ここは奮発して道具一式を買おう！という結論に達するかもしれません。
しかしここで重要な、注意すべき点があります。
それは、一言にエアコン取り付けと言っても色々な方法があることです。
一番簡単な配管を真っ直ぐ後ろに出す方法で取り付ける場合は自分で出来るとしても古いエアコンを外してみたら穴の位置が違ったら付けられないなど、毎回簡単な方法で取り付けられるとは限りません。
一戸建ての２階でベランダがない場合は配管を伸ばして1階に室外機を置く必要があります。
その場合は長いハシゴが必要ですし、外で冷媒配管を繋ぐ難しい作業になります。
またマンションの廊下に面する部屋の配管は隠蔽配管になっており、再利用しないといけないことも。
このように難しい取り付け方法もたくさんあるため、当初は全て自分で取り付ければ道具代を払ってもプラマイゼロぐらいかなと奮発して買った道具のせいで、逆に高くついてしまったということも。
エアコン取り付けに必要な工具を、必要な時だけ借りられるシステムです。
宅急便で自宅まで時間指定で配送してくれ、使い終わったら送り返すだけというシンプルなシステム。
レンタル代は払わないといけませんが、買うことと比べたら1/10ほどと、断然安く済みます。
しかし近年は色々な業者が工具レンタルを行っており、どこに頼めばいいのか悩むことも。
値段に特化した会社から工具の充実をウリにするものまで、各社それぞれオリジナリティを出してきています。
そこでここで、どこから工具レンタルをすればいいの？それぞれの特徴は？という疑問にお答えします。
やはり一番気になるのは金額でしょう、節約のために自分で取り付けしようとしてるのですから。笑
しかしここで気をつけないといけないのがオプション品です。
基本的な工具はセットに入ってるといえ、実は１つ２つ必要な工具がセットに入っていないことも。
基本セットの金額は安くしておき、必要な工具をオプションで頼むと以外と高くつくことも。
あともう１つは送料です。真空ポンプは結構な重量があり、送料も意外とかかります。
レンタル工具の往復の送料をちゃんと計算し、合計金額を比較して注文する必要があります。
簡単な取り付け方法だと基本セットの内容で十分だが、場合によっては特殊な工具が必要な場合があります。
例えば、新規取り付け（穴あけ）に際に必要なハンマードリルとホールソー、配管曲げが不安な時のポリ芯など。
それらを貸し出ししていないと他の業者に頼まなければならず、結果的に高くなることもあります。
ほとんどの業者は工具の貸し出しのみです。
なぜなら、簡単だから。
しかし中には電話サポート付きの工具レンタルもあります。
YouTubeや色々な方のブログを見てると、簡単だ！自分にも出来る！と思って始めたものの、実際に始めてみると色々と疑問や不安が出てくるものです。
その際にプロに聞けるのはとても安心です。
分からないことがあった時にYouTubeなどを見ても自分が抱いた疑問に答えるピッタリの動画がすぐに見つかるとは限らず、刻々と時間ばかり過ぎて行き、焦りばかりがつのることに。
そんな時にすぐにプロに電話で聞いて疑問を解決し、冷静に作業を続けられるのは大きな安心です。
また以前はエアコンの仕事に携わっていたものの、今は第一線を退いておられる方もいます。
現行機種を取り付けたいのに、最近のモデルに関する知識がないと話がかみ合わないこともあります。
電話サポートをしてくださる方が、今でも第一線で働いてる方かどうかは意外に重要なことです。
総額を比べてみて、その差額で「電話サポート」と言う「安心」を買うことが出来るならば、それは安いのかもしれません。
考えたくもないことですが、自分で作業を始めたものの、どうにもこうにもラチがあかずに途方に暮れるかも。
そこで他の業者に電話したところで、ほとんどの業者は対応してくれません。
なぜなら、どこをどうやって作業したのか分からず、責任が取れないから。
しかし中には自分の所で工具レンタルした方に限り、対応区域内であれば途中でもプロが来て作業の続きをしてくれる所もあります。
本当にありがたい限りです。
工賃などかかりますが、付かないよりは多少出費してでも取り付けてもらった方がいいかと。
工具も各メーカーによりデザインや使い方が多少異なり、戸惑うこともあります。
例えば真空ゲージがデジタル式もあればアナログ式もあったりします。また、コックが１つだけでなく、２つある真空ポンプなども。
フレアツールが一体型もあればバラバラになっているものもあります。そこでYouTubeやブログなどを見てもなかなか答えが分からないことも。
そのような時は工具レンタル会社が自らの工具の使い方を説明してる紙やDVDなどがあれば安心です。
実際に自分が使う工具と同じ工具を動画内で使っていれば、同じようにすれば良いだけだからです。
写真入りの紙でも良いのですが、見たい所が隠れてて見えないこともあるので、その点で動画であれば動いてるうちに見たい所が見えて疑問解決することもあります。
前日のうちに付属のDVDなどで十分予習し、翌日に安心して取り付けることができます。
以上、エアコン取り付けの際に工具レンタル業者を選ぶ注意点などをまとめてみました。
適正な価格で良心的な業者を選んで、頑張って自分でエアコン取り付けましょう！
| 項目 | アイテック | A社 | B社 |
|---|---|---|---|
| 工具の数（基本セット） | 14個 | 8個 | 5個 |
| レンタル金額 | 3,500円 | 2,800円（-100円） | 2,500円（-400円） |
| 片道送料 | 一律1,200円（沖縄・離島除く） | 1,200～1,500円 | 1,200円（沖縄・離島除く） |
| 日数 | 3泊4日 | 2泊3日 | 2泊3日 |
| 工具の充実 | 基本全部込み | 基本全部込み | フレアツール別料金（＋700円） |
| オプション設定 | あり（4分トルクレンチ、ハンマードリル他） | なし | なし |
| 電話サポート | あり | なし | なし |
| 出張対応 | あり | なし | なし |
| 手順解説 | あり（動画解説） | あり（テキスト） | なし |
内容充実の基本セット3泊4日で3,500円
追加オプションも充実！
この記事を書いたのは・・・
株式会社アイテック 代表取締役 平松 功陽
エアコン業務15年以上、累計10,000台以上のエアコン工事のスペシャリスト。
エアコン取付技能講師
三種冷凍機械責任者
第二種電気工事士
第一種冷媒フロン類取扱技術者
